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総合政策学部オンライン授業紹介(森川 美絵 教授)

2020.11.23

森川 美絵 教授

新型コロナウイルス感染拡大で困難な状況が続いておりますが、本学では、「逆境を、創造を灯す光に」(Tsuda Vison 2030)変えていけるよう様々な取り組みが行われています。総合政策学部でも教員が試行錯誤しながら、学生の皆さんに提供するオンライン授業・ハイブリッド授業をより豊かなものにするために、さまざまな創意工夫がなされています。その取り組みを、教員リレー方式でご紹介します。

森川 美絵 教授

オンライン授業での課題・工夫について

Q

総合政策学部の少人数セミナーでは、フィールドワークなども行い、具体的かつ実践的に学ぶことが特色となっています。今年度は新型コロナウイルス感染拡大でそのような活動も困難な状況ではありましたが、どのように対応されましたか?

A

2年生、3年生などは、グループや個人でのフィールドワークを経験してもらう予定でしたが、オンライン授業というか新型コロナウイルス対応のために「外に出てまずは人に会って話を聞く」ことが、できなくなりました。
学生さんが自ら関心あるテーマについて、どこからどのような情報を仕入れながらテーマについての理解を深めてもらえるか、という課題が出ました。これに対し、「まずは街に出て話を聞いてくる」ではなく、「まずは、政府統計などからテーマに関する基本的なデータを確認する」に切り替えました。本学科で開発した 「白書・審議会データベース」を活用しています。

そうすることで、自分の関心あるテーマに関する社会課題の内容や政府の公式見解を、大まかに知ることができます。
今までは、ともすると「とにかく話を来てくればよい」といった感じになりやすかったのですが、テーマについて俯瞰的に捉える方法を学生に伝えることの重要性について、気づく機会となりました。

Q

講義科目(オンライン授業)での工夫は何かありますか?

A

オンライン授業では、学生の皆さんとの「空気感の共有」がしにくいです。そのため、一人で突っ走って熱を込めて話し続けて、結局、独りよがりな言いっ放しの講義になってしまうリスクが、対面授業より高くなるように感じます。
これといった解決策がないのですが、「大丈夫ですか〜」と尋ねて「チャット機能」や「反応ボタン」などで反応をもらうといった、「ちょっとくだけたコミュニケーション」をすることで、「場の共有感」をつくるようにしています。

また、「伝えっぱなし」にならないよう、講義内容について学生さんが吸収しアウトプットする機会(学んだことを活用して、自分なりの分析・考察をする機会)を、意図的に多めに設定しています。授業中に、個人での課題作業+グループでのディスカッション+報告などを設定しています。例えば、「福祉政策論」では、「普遍主義」「選別主義」という概念について説明した後、その概念を使って「子ども食堂」の運営を企画するグループワークを、Zoomのブレイクアウトルーム機能とGoogle共有ドライブ機能を活用して行ったりしました。

Q

最後に受験生や在学生にメッセージをお願いいたします。

A

オンライン環境での授業には課題も可能性もあります。在学生や、これから入学される方たちと教職員で一緒に、本学科での有意義な学びにつながる授業の形をつくっていけたらと思います。

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